三谷幸喜さん脚本の『有頂天ホテル』をDVDで観ました。
本編のなかに出てくる登場人物が、大団円で微かに係わりあっている。
大晦日のホテルのなかで、それぞれの事情が描かれる。
最後にYOUさんにジャズを歌わせる等、ちょうどお話しが盛り上がるのにシンクロした映像・お祭り騒ぎ、となっているのが自然に感じられる。
自分の現在の仕事や身分を過去の連れ合いに嘘をついて格好をつけようとする副支配人(役所広司)に、或る程度、シンパシーを感じる。自分の場合は、そんな場面はないだろうが、全てのシチュエーションがこの映画と同じだったら、この副支配人と同じ行動をとってしまうかも知れないと思わせる。
こういうホテルの仕事というのは、辛いなかにも、一期一会のお客様との出会い、それぞれの方とのパターンという新鮮さ、やり甲斐があるものなのだと思う。
スキャンダルで隠れ続けるしかなくなった代議士。
彼をホテルマンが一体となって逃がしてやるシーン。
普段のホテルの仕事に、ずっと有る出来事ではないけれど、時にはある非常事態をいくつもぶつけてきて舞台にしたように感じた。
全編を通して思ったことは、戯曲や演劇の話し方で、全ての科白が連なっているように感じた。
俳優の声が、ことさらに大きい。
メリハリをつけて、科白と科白の間に、観客を待つ間を感じる。
一人の登場人物が述懐する場面も、それぞれに長い。
現実を切り取る、という風に創作するのは難しいのかもしれない。
また、逆に、演劇的な展開であるから、観ている方も飽きないのかもしれない。
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