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『猿駅』

 最近、本を読むペースが非常に遅くなっています。

 田中哲弥さんの、『猿駅/初恋』という本の内、短編の『猿駅』だけを読んだ状況ですが、感想を書きます。


猿駅/初恋 (想像力の文学)

猿駅/初恋 (想像力の文学)

  • 作者: 田中 哲弥
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2020/05/31
  • メディア: 単行本

 母親と、何かの取り決めごとで会わなければならない。そんな状況で、主人公は、或る駅で母と待ち合わせします。

 ところが、降り立った駅には、猿が一杯いるのです。

 しかも、人間の姿を見かけません。

 気になった(光っている)販売機に寄っていって買った飲料は猿の餌だったのです。

 どうしても、歩いている内に猿を踏んでしまう。

 その度に猿がへしゃげて血液やら体液が沫びます。

 猿は、人間を避けないのです。

 販売機のあった商店の商店主から話しかけられて、そうする内に、猿が実は、幻影もしくは単なる霊魂であることに主人公は気づきます。

 猿用のドリンクを飲んでしまったから、猿を棍棒で叩くことの快感から離れられなくなった主人公。

 最後は、叩いてはいけない人まで叩いてしまいます。

 この作品は、テーマは重たい母親なのだろうか。重たい母親に対する反発や憎悪なのだろうか。

 視覚的ディテールの説得力に感激しました。

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 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

書評
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