前年、ウチのトイレの水洗化の工事をしてくださった土建屋の親方さんが、急になくなった。
仕事も油に載って、性格もほがらかで誰にも好かれるような人だったけれども、病気の急な進展には勝てなかったということになる。
性格のいい人ほど死が早い、とは世間でよく言われることだが、それは、最近、もの凄く首肯する。
また、「もう死ぬ、もう死ぬ」と言って普段から悲観的な人ほど、なかなか死なないと言う意見も多いが、「もう死ぬ」と言っている人は、精神の緊急状態にあって、そういう人ほど、いつ自殺してもおかしくない。
気づいた人が少しでも気分が上向くように手を貸してあげるべきである。
どんな人でも、いつ死ぬか分からないことが、個人個人の社会的立場の不条理を是正している、という考え方も、哲学のなかにはある。
いづれにしても、急に亡くなるかもしれない人生だとしたら、やはり、後の世というものが存在していなくては侘びしいのではないだろうか。