昔、僕が二十代の頃は、アルバイトやパートしかしていない人は世間に馬鹿にされていた。
職業に貴賎はないけれども、その前提は建前として誰も思っていても、きちんと会社勤めしている人で当たり前、という世の中の見方だった。
店員という職業も、会社で事務や営業や正社員で工場勤めをしている人よりはランクが落ちる、と見られていた。
僕が、正社員としてガソリンスタンドに勤めているときでも、知り合いに、「あそこの会社へ行ってはどうですか」と転職を薦められたりした。
「ガソリンスタンドですか」と、鼻で笑われたこともある。
それがどうだろう。
今は、コンビニで6時間くらいパートで務まっていれば、「ようやっとってやね」と、人からねぎらわれる風潮になった。
昔も今も、僕は世の中のスタンダードからは外れていることになる。
僕が高校を卒業して最初に行った職場は、三菱自動車の販売の仕事で、それを、その後の転職のときに履歴書に書いていると、
「おお? 三菱ですか。 何でやめられたんですか」
と問う面接担当者が非常に多い。
職業に貴賎はないとは誰でも思ってはいるが、内心では職業に対する差別意識はあるのだろう。
なにやら、今産まれた子が成人する頃には、今までにまったくない職業が出現しているだろう、と、あるメルマガに書かれていた。
僕のよく行くガソリンスタンドが、今までは半分セルフで、会計のときだけは店員と対面してやりとりしていたのだが、最近、完全なセルフガソリンスタンドになった。
クレジットカードの支払いの延滞があった場合、機械で先に照合するので、支払いが出来ないという最悪の事態になることがなくなった。その点は良かったと思う。
が、しかし、店員にしてみたら、仕事の楽しさが半減しただろう、と思う。
人間というのは言葉を発することで発散する。
お客さんから元気をもらったり、ということもあるし、勿体ない動きだと思う。
しかし、これも時代の流れだろうか。
何だかまとまらないままに。
ネタがないときに、無理に随想をひねると、このくらいかな。
では、お休みなさい。