思い出の記事です。
思い出しながら書くので、正確ではなく、推測が交ざります。
僕が、小学生(多分、三年生くらい)だったころ、
朝起きて、ランドセルの中身を確認して、ご飯を食べていたら、
突然、父が、
「今日は、お前ら、学校休め。エエとこ行こう」
と言い出します。
「ええ? そんなん、先生に嘘つかなアカンやんか」
「ええがい。一日ぐらいよ」
と父は言って、
母が、三兄弟のそれぞれの担任に、電話しました。
末の弟は、まだ幼稚園でしたから、幼稚園へも電話。
「どうも、風邪をひいて、具合がわるいようなので、休ませます」
と。
親が、ずる休みを容認する家なんて、ウチぐらいでしょうね。(笑)
簡単な荷物だけ持って、西脇駅まで、家族全員で走りました。
加古川線終点の加古川について、今度は、姫路行きの山陽本線の快速に乗ったのでした。
ところが、平日、しかも、出勤時間なわけです。
電車内は、ぎゅうぎゅう詰め。
僕ら子どもは、親の手を握っていました。
完全な満員状態です。
そこで、へんな会話を聞いたのです。
「ちょっとー! これ、誰の手よーー!?」
と女性の声。
そうすると、すぐ、別の男性が、
「スケ(助平)の手や」
と合いの手を入れる。
「ちょっとー! 放してよー!」
「放せ、言われてもなぁ」
と、こんな会話になりました。
乗客は、ただ、その会話を聞いていただけ。
男女が見知らぬ間柄だったら、おそらく痴漢でしょう。
しかも、混みこみで、誰の手がさわっているのかわからない。
しかも、誰も、さわっている男性を追求しようとはしない。
乳だか尻だかをさわっていたのかもしれません。僕も、興味津々で現場を見たかったですが、
いかんせん、背が低いので見えない。
今から考えると、悠長な時代ですね。
さわられているほうも、半分、それを喜んでいるのです。
姫路に着いて、ホームにある立ち食い蕎麦を食べて、たしか、動物園に行きました。
いやはや、あの時代に大人だったらよかったのに、と、少し思いますね。
さて、動物園も堪能して、百貨店で買い物もして、
西脇に帰ってきたら、
「お前ら、二人、先に家、帰っとけ」
と、父は弟二人に言って、
「良一は、ええとこ連れてったる」
と言って、駅前の喫茶店へ。
店内が暗いんですよね。あの時代の喫茶店は。
ランプも凝っていて、独特の雰囲気があります。
「僕らみたいな子供が、こういうとこ入ったらアカンのとちゃうの?」
と母親に訊くと、
「そない思うか」
と父。
「かまへんから、大人しいしとりよ」
と言われて、多分オレンジジュースを飲んだのでした。
懐かしいなぁ、昭和四十年代。
翌日、登校すると、友達たちに、
「何や、風邪、一日で治ったん?」
と訊かれて、頭をかいている僕でした。
コメント
>ビター・スイートさん
ナイスを有り難うございます。(^。^)
これなんじゃない、これが小説なんじゃ。最高のストーリーよ。これは入選すると思うわ。
>便所紙ぺらぺらさん
ほのぼのとした記憶ですね。
だいたい僕の小説は理屈っぽいですから。こんな内容のほうが小説と言えるのかもですね。一度、中編くらいにして応募してみようかな。
また、お寄りくださいね。(^。^)
こんばんは。職質の話題の続きをすごく期待しているのですが、ぜひお願いします。
>のりおちゃんさん
ちょっと大きな動きがありますので、職質の記事は、その後になります。
お待ちくださいね。(^。^)
(朝日を忘れた小説家)山雨乃兎[やまめ のうさぎ]のブログーーー総合目録
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