佐伯(仮名)くんは、僕の友達。
山雨の小学校一年生から四年生の時期は、黄金期だったのです。
性格も快活で、勉強スポーツともに出来、友達も多かったんです。
僕と佐伯くんは、学校が終わると、毎日自転車で町中を走りまわっていました。
お互いの家に行ったり、ただただ走りまわったり。
無限のエネルギー。上り坂だってしんどくない。
四年生の頃には、僕が発案した学級内「壁新聞」の取材に飛びまわっていました。
そんな当時、たしか三年生の頃、
いつもの駄菓子屋に寄ったんですね。
アイスクリームを食べるほど暑くもなく、喉が渇いたのでオレンジジュースを飲みました。店先で。
で、何気なく店内の陳列をみていたら、フランスパンがあったんですよね。
といっても、パッケージにはフランスパンとは書いていない。でも、見るからにフランスパンなんですよね。
「佐伯くん、これ、食べよか?」
「やめとき、旨いないでェ」
「でも、これ、フランスパンっちゅうやっちゃろ? 一遍ぐらい食うてみたいやん。固そうやけど」
「固いかもしれんけど、多分、そんなことより、旨いないて。せやって、ジャムもバターも塗ってないねんでなァ」
「いや、僕、これ買うわ」
買ってる間に、佐伯くんは先にどこかへ行ってしまった。
僕は、佐伯くんを追いかけるよりも、まず、パンを食べることにした。
ジャムとかのインパクトはなかったが、パン独特の味がして旨かった。
が、固かった。
ぜんぜん、噛み切れなかった。
アゴの骨が、ミシミシ言った。
佐伯くんが戻ってきた。
「アカンわ。これ、メチャ固いわ。どうしよう? 佐伯くん、要るか?」
「せやからやめとき言うたんや。おれ、そんなん要らんでェ」
「食べてみいな。どんだけ固いか分かるから」
「いらんて」
「ホナ、これ、どないしょ?」
「ゴミ箱に捨てたら?」
結局、ゴミ箱に捨てた。
今日、同じようなパンを買ってきた。
実に旨い。
小学校三年生のアゴでは食えないかーー。
固いものを食べると、頭がよくなるそうです。(精神科医、樺沢紫苑氏談)
コメント
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子供の頃、フランスパンにバターをつけて食べたりしたけれど、
やっぱり固くて、あまり美味しいと思わなかったように思います^^;。
ガーリックトーストとか、美味しいですねぇ~。
>sakamonoさん
小学生には、固すぎますね。
お店で食べるガーリックトーストは美味しいですね。
また、お寄りしますね。(^。^)