今年を振りかえる。(えーっ、未だクリスマスも来ていないのに)

 今年を振りかえる。至って個人的に。
 今年は細木先生の占いによると、僕にとっては大殺界を抜けて種子の時季にはいる、よい年まわりだった筈だが、現実には全くよくなかった。
 否、今年だけではない。二〇〇三年に結婚という大きな幸福があったが、僅か七ヶ月の新婚生活の後、妻は他界した。二〇〇五年に拙著『壁蝨(だに)』を出版するが振るわず。二〇〇六年も低迷。さらに妻と邂逅した二〇〇二年はよかったが、二〇〇一年はインターフェロン療法をやり、さらに頭部に脂肪腫ができた事から持病の頭痛が悪化。九九、九八年は心身ともにがたがた。九七年は家出をしていて、その時の真冬に新聞配達や製造ラインでの二交替の十二時間労働がたたって神経症が悪化。その前の九四年からの四年間だけが仕事も健康もベストだっただけで、九三、九二年はがたがた。十二指腸潰瘍や胆嚢炎などに罹る。九〇、九一とまだ益しで、八七~八九年までが不調。八六、八五とは、まあ真ともで、八四年は家出していた。八三、八二がどうぞこそで、八一、八〇の低迷、つまりは、内臓破裂、大量腹内出血、四八〇〇㏄の輸血。ショックからの不眠へと遡るのである。
 これではまるで不幸自慢のようだが、実際、僕の人生は最悪である。事故のとき、死んでしまっていた方がよかったとさえ思うこともある。
 人生の四分の三が辛いことで、四分の一嬉しいことがあれば御の字だと一般に言われるが、僕の場合、九苦で一喜びといった配分だ。
 話しが脱線し過ぎた。
 細木先生も、ご著書のなかで運勢とは切り離して、健康の問題は誰もが意識して自己管理する他はない、と仰有っている。
 僕の場合、常時、頭痛があるのだから、医学によって治せない以上、第一の誘因である煙草を止めなければ、急激な症状の改善は望めない。その事を認識していながら、止めない点が、僕の克己心の乏しいところだと思う。
 普段から痛いのを我慢しながら全ての行動をしているので、普通の人がどうにか我慢する程度の問題で、話している相手に怒ってしまったりする。
 この事によって、今年は数人の人との人間関係が終わってしまった。
 後で謝っただけでは済まないのかも知れない。言い過ぎた相手には、誠に申し訳なく思っている。
 正月に、或る事で腹が立ってガラスを二枚割ってしまった。
 六月ごろだったと思うが、新風舎の賞に二次選考通過まで残りながら落選。
 八月に、『小説すばる新人賞』と『すばる文学賞』に落選。
 今年後半は、書くには書くが思うように筆が進まず、といった体たらくだった。
 年末にやっと出版費用の返済が終わる。
 ところが、自立支援法の改正と、国の審査で等級が下がったことによって、身体障害者年金が打ち切られた。
 来年は二つの賞の結果を待ちながら、今書いている作品を進めてゆく。大分長い分量になってきた。現在二六〇枚を超えた。僕にとっては未知の領域だ。
 今年よかったことと言えば、数人の方と相互リンクを張れたことだ。
 安い酒だが、酒の量は増えたし、肥満は酷くなった。近ごろでは、自分に課した四十分の散歩でもきつい。
 家族に迷惑をかけ、それを分かりながら自分の道を突っ走っているのだから、私は悪人だと思う。
 実父が心臓病で死んだ年齢まで、あと五年弱となった。
 元来通っていた宗教団体に戻りたい、と、最近よく思う。様々な事情から、もう戻ることは出来なくなってしまった。だからと云って、他の神を拝む宗教に入信することだけは絶対にできない。
 正に、数作の自身の小説のなかの登場人物のように、私には、もはや、寄って立つ岩さえない。
 書くことだけが、唯一の救いだ。

コメント

  1. タックン より:

    大きな事故に遭われていたのですね。
    毎日を淡々と過ごしている私にはまるで小説の世界です。
    書くことが残されているのですから 書き続けてください。
    これから先に きっといいことがありますよ!
    寒くなりましたね~ お身体 お大切に。。。

  2. 山雨 乃兎 より:

    >タックンさん
    ご無沙汰しています。
    誰でも、訊いてみると色んな不幸や不遇をかかえているものなのかもしれません。思いこみが深いのが、僕の短所であり長所でもあると思います。それが書くエネルギーになっているのだと思います。
    やはり、タックンさんぐらいの年上の方から包むようにねぎらいの言葉を受けると嬉しいです。僕なんて、まだまだ子供かもしれませんね。
    お優しいお言葉有り難うございます。
    これからも頑張ります。また、お寄りしますね。(^。^)

  3.  生きるって本当辛いですよね
     今、体に鞭を打ってやっていますが、体力がかなり落ちたのを実感します
     でも、今だからその瞬間に生きるって実感もあります
     2007年、俺にとっても嫌な年でした
     来年は絶対にいい年にしたいです
     お互い頑張りましょう
     選考結果楽しみにしています

  4. 山雨 乃兎 より:

    >岩上さん
    生き続けるというのは、誰でもかなり色々あって大変だったりすることなのだと思います。
    リング復帰に向けて頑張ってくださいね。小説家としても、来年は岩上さんブレイクする年になりますよ。
    そうそう、本の装丁の写真、なかなか良いと思います。
    僕も来年こそはいい年にしたいと思っています。
    お互い頑張りましょう。
    追伸、こちらからメール何度も(今回頂いたメールに返信も含めて)送っているのですが、どういう訳か岩上さんの所へ届いてないようなのです。(もう一寸、お手上げ状態です)こちらの方でも、ゆっくり原因究明しますので、しばらく、コメントのやりとりと、たまに電話でやりとりする事にしましょう。ご迷惑をお掛けして済みません。
    では、また。(^。^)

  5. sakamono より:

    大変な人生を歩んで来られたのですね。自分などは、なんともノホホンと過ごして来たように思います。ちょっと仕事が忙しいくらい...などと思ってしまいました^^;。
    「小説すばる」は、毎月買って読んでいます。いずれ山雨さんと、誌上で出会えたら良いですね。

  6. 山雨 乃兎 より:

    >sakamonoさん
    僕の場合は、健康面で泣かされつづける人生でした。
    今でも、颯爽と営業で動き回れる自分だったらどんなによかっただろうか等と少し思うことがあります。
    「小説すばる」に掲載されるか『小説すばる新人賞』を獲るというのは、非常に難しいですね。どういう形にせよ仕事の依頼が来るレベルにまでなりたいと願っています。
    いつも、応援してくださり有り難うございます。ときどき自分本位に乱れた文章をアップロードしているのに根気づよくご訪問くださって誠に感謝しています。
    来年こそ、僕にとってもsakamonoさんにとってもよい年でありますように。(鬼が笑うか(笑))
    では、またお寄りしますね。(^。^)

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