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大人の愉しみ方

 まえに友人の三人ほどに言われたことがあるのですが、

「山雨くん、また、この間もオカズ残しとったやろ」

 と。

 多分、友人同士での歓談の場で酒の充てとしてつくったオカズだったと思うのですが……。

 僕からすると、残すのは当たり前です。

 

 だって、食べてしまったら、そこで宴会の場が終わりのムードになってしまいますよね。

 よく、遠慮の塊とか言いますが、

余韻を、いかに永くひっぱれるかが大人の愉しみ方だと思うのですよ。

 子供に躾けをするときには、「食べ残してはいけません」と教えるのは妥当です。

 でも、大人同士が飲み会、とかいう場面では、僕は、余韻を楽しむべきだと思うのですよ。

 

 同様に、セックスもです。

 オルガズムに達しそうになったら、そのまますぐに往ってしまったのでは、少年のセックスですね。

 井上陽水の『リバーサイド・ホテル』の歌詞にあるように、

♪どうせ、二人は、途中でやめるから

 夜の永さを何度も味わえる

 と。

 がっついて自分だけが気持ちよくなるセックスなんて少年のセックスですよ。

 止めるんですよ。我慢するんですよ。相手のために。

 

 柿の種のピーナッツばかり急激に食べてしまう友人がいましたが…。

 それをやったら、宴会が終わっちゃうじゃないですか。

 たとえば、家族が大福を買ってきて居間のテーブルに置いていたとします。

 それを見つけて、ひとくち食べたら美味しかったので、やめられずに一気に二十個全部食べてしまったとします。

 もう、それで、大福を食べる愉しみは終わってしまう訳ですよね。

 美味しい処を、いかに永く保たせられるか、それが大人の愉しみ方だと思うのです。(絶頂の寸前の気分を相手に二十分以上与えられたら、それは、もうプロですね(笑))

 

 大人とは、省エネルギーの車のような代謝になっていますから、いかに、その空間と時間を味わうかが、大人の愉しみ方、醍醐味と言えるのではないでしょうか。

 今日は、そんなことを考えました。

 こんな風だから、粘着質なのかも、と、自分でも思いますが…。

 

 また、お会いしましょう。(^。^)

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

ラフに語る、つれづれ記
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