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ひろ・さちや著『「狂い」のすすめ』読了(追記あり)

ひろ・さちやさんの、『「狂い」のすすめ』を読みました。


「狂い」のすすめ (集英社新書)

「狂い」のすすめ (集英社新書)

  • 作者: ひろ さちや
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/01/17
  • メディア: 新書

例によって、感想は、追記をお待ちください。

追記・感想

人生は、あっという間に過ぎていく。

人間が生きていることに、「何のために」という意味はない。

この著作でも、著者のモームへの偏愛が語られている。

自分の生きたいように生きる。世間を馬鹿にして生きる。

世の中をすいすいと泳いでいけない者には、思想・哲学が、苦しみの現実と闘う武器に

なる。

弱者の立場に居て、太鼓持ちにはならずに、自分を弱者だと自覚する。

世間を信用せずに生きる。世間の判断とは違った自分の判断で生きる。

弱者の自覚を持っても、卑屈にならないで生きる。それには、「狂う」こと。

一休禅師の奇行なども、例として出てくる。

流行を、意味のないものと悟りながらも、敢えて、その流行に乗る。楽な生き方。

『目的意識を持つな!』の項では、目的意識を持って生活すると、目的を遂げるまでの

期間が灰色になる、と警告されている。今を楽しむことが大事。

今回も、サマセット・モームの『人間の絆』から、著者独特の人生観を語られている。

人生に目的などない、ことを。人生は、無意味である、と。

そして、人生の途中で弱者の立場に転落しても、その立場を演劇のように演じよう、と

仰有る。

神のシナリオのなかには、悪人や弱者さえ必要なのだ、と。

隣人関係で、べったりとしたつき合いはしない。

映画『男はつらいよ』で描かれている隣人関係は、実際の江戸っ子のものとは違う、と

いうこと。

要は、世間を気にせずに生きることが大事。でも、世間は、好きに生きているマイノリ

ティーに対して冷たい。だからこそ、「狂う」ことが大事だ、ということでした。

全体を読んでいて一番感銘を受けたのは、「今を楽しんで生きる」ということが大事だ

という意見です。

目的意識は、あってもよいのですが、その目的を達成するまで、時間を棒に振るような

生き方はすべきでない、ということ、賛同しました。

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