山田悠介さんの、『リアル鬼ごっこ』を読みました。
最近、新聞などで(全作品併せて)百万部突破と書かれているので、それと、『あそこの席』という作品を既に読んでいたんだけど、『リアル鬼ごっこ』に関しては、処女作でもあるし、アマゾンでのレビューが酷評が多いので、どんな作品なのだろうと思って読みました。
この本、2003年版の時点で、14刷り。
言い回しがおかしい、とかの酷評も有りましたが、増刷時に直しているんだと思いますから、どうしようもない程おかしい文章は少なかったです。
といっても、有るには有りましたが……。
副詞、助詞の使い方がおかしい処とか、描写しているのだけど、具体性に欠ける描写の積み重ねという処も有りました。具体性がないから主人公に感情移入が難しい、だから泣ける筈のところであまり泣けない、という処もあるのですが……。
でも、全体として、よく書けています。
何よりも、エンタテイメント性が強い作品に仕上がっている。
我が儘な王様に振り回される一般市民。佐藤という姓の人達。
スティーブン・キングが自身の『小説作法』のなかで言っていますが、初めから主人公をどうしようもない逃れられないピンチに追い込め、という、スティーブン・キングならではの作法術が有りますけれども、この小説、『リアル鬼ごっこ』も、そういう作法に当て嵌まる書き方だと思う。
社会全体の変化を追いながら、個人の苦しみを併行して取り上げる、というのは小説ならではの書き方だと思います。
アマゾン・レビューのなかに、「この人(山田悠介氏)は、執筆で食べていけているのだろうか?」というレビューも有りましたが、全体の作品の総合売れ部数でも、定価1000円の本と仮定して100万部出ていれば、10パーセントの印税計算でも一億円は稼いだことになります。
自費出版からここまで行けば凄いです。完全にプロになられているし。
うーーん、こんなエンタメ性のある作品を書けるようになりたいです。
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