Gyao放送で、邦画『オリヲン座からの招待状』を観ました。
映画が隆盛を極めた頃、身よりのなくなった男が京都の或る映画館に転がり込んできます。
映画産業自体が、その後斜陽になるのだけれども、まだ、その男が働きにきていた頃は斜陽ではなかった。
原田芳雄演じる、映画館『オリヲン座』の館長は、復員して帰ってきて、しかも、煙草の吸いすぎと思われる感じで咳きを多発している。
その館長が亡くなったあと、館長の遺志を継いで『オリヲン座』を運営していくのですが、主人公は。
見ていて、どうして女将さんと懇意になって結婚してしまわないのだろう、と視聴者はやきもきします。
一つ屋根の下に一緒に住んでいて、でも、籍も入れていないし、肉体関係もない。
これでは、周囲の憶測を生むのはやむを得ないところ。
映画館には、お客さんが来なくなります。
谷崎潤一郎の『痴人の愛』ですら、さきに籍を入れて、周囲に誤解のないように気を配っている。
そんな二代目館長と先代の奥さんですが、或る子供たちには慕われる。
最後の最後、つまり、奥さんが危篤状態となったところで、主人公から愛の告白があります。
つまり、主人公の二代目の館長は、奥さんとは何ら肉体的にも関係を持っていなかった、ということが分かります。
これは、先代に対する義理を果たした、ということでしょうね。
物語は現代の場面から始まって、回想として過去を語り、また現在に戻ってきます。
そして、『オリヲン座』は、招待客のまえに、先代の一番のお気に入りだった『無法松の一生』という映画を放映して終わります。
随所で泣かされました。
原田芳雄が、まだ生きているように感じました。
Gyao放送『オリヲン座からの招待状』視聴ページは、こちら
コメント
>ビター・スイートさん
ナイスを有り難うございます。(^。^)